~ 法住寺 ご詠歌のご紹介 ~

法住寺のご詠歌はご存知ですか?

ご詠歌とは声を永くひきのばして詩をうたうことで、一般には和歌を詠むという意味がございます。後世には、この和歌と日本に根を下ろした仏教とが相交わり、今のご詠歌が成立したといわれています。

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南無(なむ)不動(ふどう)千年(ちとせ)の 慈悲(あい)のまなざしに

    み法(のり)宿(やど)りて 頼(たの)もしきかな

千年もの長い間、ここ御法が宿る寺(法住寺)にあって、

そのほのぼのとした慈愛のまなざしで、私たち衆生を見守ってくださる身代わり不動さま。

私たちはこころ頼もしく思い、深く帰依いたします。

 

もともと法住寺には、ご詠歌はございませんでした。けれども、ご詠歌そのものは昔から伝わるものとして、日々練習し、行事の際にはその行事にあわせ、歌いお勤めしております。

現在、法住寺では「諷の会(ふうのかい)」という名前で、毎月第二日曜日に天台宗の本山である比叡山よりご詠歌の主査である上野良明先生にお越しいただき、ご指導いただいております。ご指導というとなにやら厳しいような印象を受けますが、どちらかというとおしゃべりあり、笑いあり、涙ありと大変アットホームな雰囲気の中、練習しております。もちろん、たまにピリッと厳しい時もありますが・・。

入会いただいている方々は宗派問わず、いろいろな檀信徒さまでございます。そして、その中の一人である大嶽洋子さまに、このご詠歌を作っていただきました。ご存知の方もおられると思いますが、大嶽洋子さまは法住寺のご信者さまで、そもそも童話作家・歌人・潮音幹部同人・日本歌人クラブ会員という肩書きをお持ちの方です。ですので、入会いただいた当初、もしよければ法住寺のテーマソング(ご詠歌)を作っていただけませんかという思いを伝えたところ、なかなか無理なお願いをしてしまいましたが、こころよく受けてくださったという次第でございます。

近頃、このご詠歌がいろいろな場面で活躍するようになりました。先日大嶽洋子さまと連絡を取り、ご詠歌の活躍も含め、当時どのような思いで作られたのか再度お聞きしました。

「私にはお不動さんのお顔がとても親しい大祖父のように思えます。人の心の外にあって、仇なす敵から守ってくれるガードマンではなくて、むしろ、心の奥の苦しみに寄り添って、その苦しみを一緒に忍び支えてくださる方のように思えると。」。

また、「人の心にこそ恐ろしい鬼がいる。その鬼による苦しみをこそ身代わりしてくださる。それも、身近の肉親のように、静かに、そっと。」。

ご詠歌そのものの意味は先に記したとおりですが、ご本尊であるお不動さまへの思い、信仰にはまた深い意味がございました。恐ろしい姿でありながら、その姿は我々の身代りとなるお姿であり、また身近な存在として寄り添ってくださっている。大変に有難い仏さまでございます。

檀信徒皆さまにもそれぞれの思い、信仰があることと思います。日々のお勤めに併せ、ぜひこのご詠歌も覚えてくだされば幸いに思います。また一歩、お不動さまを身近に感じていただけると思います。

詠い方は西国三十三か所・ご詠歌の節と同じでございます。

※ご詠歌をご朱印帳にいただきたい方は、本堂寺務所までお尋ねください。

ただし、住職不在の場合、書き置きとなりますので、ご了承ください。

ご朱印志納料300円(初めての方は、ご本尊お不動さまのご朱印と併せてお受けください。)